害虫と言われると、ハチやムカデ、ゴキブリのような虫を思い浮かべますが、これらの害虫以外にも人間ではなく木材に害を与える害虫がいます。「ケブカシバンムシ」という害虫です。ケブカシバンムシは体長3.5~6mmとかなり小型の害虫ですが、日本全国に生息し、特に古材を好み旧家などで被害が見られます。木材を使った家具を食べることもあり、特にアンティーク家具等は注意が必要です。ケブカシバンムシは木材を食べた後、3mmほどの脱出孔をあけ次の場所へ移ります。脱出孔の中には粒状の糞が充満するため、状態によっては修理ではなく廃棄を勧められることもあります。ケブカシバンムシ自体が非常に小さいため、気付いたときには被害を受けていたというケースが多いのです。また、被害が進行すると見た目では分からなくても内部が激しく食害されているということもあるようです。もし、大切な家具が被害に遭い、家具修理の業者でも修理できず、廃棄しなければならなくなってしまったら、とてもやりきれない思いになってしまうでしょう。大切な家具を守るためにも、事前の対策が大切なのです。木材をエサとする害虫は住宅に施される塗装剤や木材の表面に施されるニスやラッカーを嫌う傾向にあるため、定期的にそれらの処理をすることで、木材害虫から被害を受けるリスクを軽減できるのです。